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  小学校の講話
 
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命の名前


 今日は、絵本『しげちゃん』を読みます。画面を見てください。

〈作品のあらまし〉
 作者の室井さんは小さいころ、男みたいな「しげる」という名前がいやでいやで仕方がなかったそうです。小学校に入学すると、男の子から「しげる」という名前に関するいろいろな攻撃を受けて、落ちこんでしまいます。
 「もっとかわいい名前に変えて!」とお母さんに泣いて訴えます。
 すると、お母さんは、「何言ってんの、大切な名前を」といいながら、「滋=しげる」という名前をつけてくれた理由を、抱っこしながら話してくれました。
 「親が名前をつける時ってね。そりゃあ一生懸命なのよ……」
 それからは、自分の名前のことを好きになろうとするしげちゃんでした。

 人間は、自分の名前を呼ばれると、とてもよい気持ちになることが多くの実験でわかっています。幸せホルモンの一つであるセロトニンが分泌されるためです。

 セロトニンは、おいしいものを食べたり、いい景色を見たり、お風呂に入って気持ちよかったり、友だちや家族とお話したり遊んだりなどコミュニケーションをとったりするときに、脳の中に出てくるホルモンというものです。
 たとえば、何でも感動して喜ぶ人は、セロトニンがたくさん出るので、元気が出ているのだそうです。

 この世に存在するものには必ず名前があります。名前があるのはその存在を求められているからです。なかでも人の名前は特別な言葉です。自分のためだけに用意され、一生の間名乗ったり、呼び続けられたりする言葉です。赤ちゃんから、小学校に入る前までは、毎日数えきれないくらいたくさん名前を呼ばれていたことと思います。

 お父さんお母さんが、皆さんの名前を決めることを、「命名」といいます。

 皆さんの名前は、皆さん一人一人のためだけに用意され、心を込めた願いです。命の名前なのです。皆さん一人一人はなくてはならない存在です。
 私たちは、その名前を大事にし、名前を呼んで挨拶をしていくことを始めましょう。-後略-

[参考]『しげちゃん』(作:室井滋、絵:長谷川義史、金の星社、2011年)

(松井光一)

 

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