開かれた教育経営(学社連携・融合教育論)

¥ 2,750 税込

商品コード: 000375

[本書の概要]

◆地域ぐるみの教育を志向する校長等管理職,教育委員会担当者など関係者必携!!


“教育経営”という言葉を聞いて,どのようなことをイメージされるでしょうか。コミュニティスクールや地域運営学校など地域ぐるみの教育が進められつつあるものの,それらはまだ特殊なケースで,大方は“学校”の“教育経営”を思い浮かべるのではないかと思います。

しかし,そのような学校のみの教育経営は限界にきています。学校と保護者・地域の協働による学社連携・融合の視点に立った「開かれた教育経営」がいま求められています。その具体策を,独自の実態調査の結果や先進的な実践事例などを通して明らかにします。


[著者] 有薗格 
[刊行日] 2007-07-20 [形態] 書籍
[定価] 2750 円(税込)  [判型] A5 [頁数] 270頁
[ISBN] 978-4-87380-375-3


[本書の目次]

序論 開かれた教育経営を考える前に
第1部 開かれた教育経営の基本視座
第1章 生涯学習社会の時代の教育経営論
1.生涯学習社会の時代の教育経営論
(1) 地域に開かれた教育経営――新しい経営概念のとらえ方
(2) 教育経営の3段階構想――地域の教育と支援活動を対象に
(3) 開かれた教育経営研究への対策――学識経験者や専門家の組織化
2.“開かれた教育経営時代”の検討課題
(1) 生涯学習社会への対応と開かれた教育
(2) 開かれた学校から開かれた教育へ――動き始めた参加型教育づくり
(3) 課題の発見・対応は総合的視点で――開かれた教育経営観の育成
3.わが国の開かれた教育経営論を振り返る
(1) 開かれた教育経営論の展開――昭和20年代~60年代
(2) 開かれた教育経営論の展開――大塚学校経営研究会の提言
(3) 開かれた教育経営論の展開――生涯学習社会への対応課題
4.社会環境・教育環境の人間化と教育づくり
(1) 子どもの社会力・人間力を育む地域社会へ
(2) 多様な体験ができる教育環境づくりを
(3) 地域文化を市民文化として育てる地域環境づくり
(4) “自立と共生”を育む市民教育の充実を
第2章 学校と地域社会の新しい関係づくり
1.地域のなかの学校と開かれた学校づくり
(1) 地域のなかの学校は地域協働経営の時代に
(2) 地域に開かれた学校と新しい対応課題
(3) “教育の共有化”を図る地域社会づくりを
2.学校・教育委員会の教育意識の実態と問題点
(1) 社会の変化に対応できない校長と教職員
(2) 教育改革に動揺する教師たち
(3) 教育委員会の生涯学習社会への関心
(4) 意識格差が大きい教育委員会
3.学校とPTA・保護者の関係
(1) 学校とPTA・保護者の関係――これまでとこれから
(2) PTAはどこまで変わり得るか――平成の教育改革への対応
第3章 地域で学ぶ教育と学社連携教育の重視へ
1.地域で学ぶ教育を重視した教育改革
(1) 地域で学ぶ教育と生きる力を育てる教育
(2) 地域で学ぶ体験的活動の重視
(3) 地域を育む教育の取り組み(上)
(4) 地域を育む教育の取り組み(下)
2.学社連携・融合教育の展開
(1) 学社連携活動の原点に学ぶ
(2) 学社連携活動の実践上の課題
(3) 学社融合の考え方と取り組み方
第4章 教育政策にみる開かれた教育の展開
1.教育改革が求めた開かれた教育論の展開
(1) 教育改革にみる開かれた教育と学校
(2) 政府の改革推進にみる法制化の実態
(3) 「地域に根ざす教育」と文教政策の展開
(4) 学校・家庭・社会の“教育機能の再検討と改革”が必要な時代
(5) 「子どもの居場所づくり」と「キャリア教育プラン」に学ぶ
2.学校・家庭・社会の教育機能の再検討
(1) 学校・家庭・社会の教育機能の再検討
(2) 学校の教育機能の見直しと青少年の社会参加問題
(3) 生涯学習振興法下の教育機能の見直し
(4) 子どもの成長を促す環境づくりと政策(上)
(5) 子どもの成長を促す環境づくりと政策(下)
第2部 学校・地域の教育力再生とその構築
第5章 子どもの学びと活動の場づくり
1.子どもの学びと活動の場づくり
(1) 地域の教育力の再生と子育て環境づくり
(2) 幼児教育の充実と地域ぐるみの子育て対策
(3) 幼保一元化と関係機関の連携・協力
2.子どもの居場所づくりと多様な取り組み
(1) 文科省の子どもの居場所づくり3ヵ年計画
(2) 子どもの居場所づくりと組織づくり
(3) 多様な学びに生かす生活空間の把握と活動の工夫
(4) 公民館や市民を活用した居場所づくり
第6章 連携・融合活動を支える組織の構築
1.連携・融合活動の問題点と改善方策
(1) 連携・融合活動の現状を振り返る
(2) 学社連携と学校・地域の活性化の課題
(3) 恒常的・継続的な連携・融合教育体制づくり
2.継続的活動を支える連携体制づくりの前提条件
(1) 継続的活動を支える体制づくりの検討事項
(2) 学社連携・融合活動の組織化
(3) 調査が語る学社連携活動――教育委員会の課題
(4) 文部科学省調査が語る検討課題――文科省の義務教育調査から
第7章 連携・融合教育の再構築に向けて
1.新しい視点に立つ連携・融合教育
(1) 新しい視点に立つ連携・融合教育で考えたいこと
(2) 市教委等の学社連携活動の充実・強化へ
(3) 学校教育の改革と地域参加の教育づくりへ
(4) 生きて働く力としての教育目標設定へ
(5) 新しい時代の義務教育と国際化社会への対応
(6) ユネスコの共生社会を生きる教育の視点
第3部 連携・融合教育の実践事例
第8章 新しいタイプの学校づくり
1.新しいタイプの学校づくり――増加する地域運営学校
2.〈事例〉足立区の地域運営学校
(1) 大都市のコミュニティ・スクール
(2) 学校と理事会の協働による教育創造――学校理事会の役割と権限
(3) 地域ニーズを生かすカリキュラム――保護者や地域人材の多様な活動
第9章 市民参加の教育づくり
1.「かわさき教育プラン」の策定
(1) 「市民の学びを支援する」施策
(2) 「市民の力を生かす」施策
2.〈事例〉川崎市の市民参加の教育づくり
(1) コミュニティの拠点としての地域に開かれた学校づくり
(2) 「生きる力」を育む学校の役割と学校づくり支援事業
(3) 川崎方式に学びたいこと
第10章 学社連携システムの構築
1.地域と学校との連携システム
2.〈事例〉北九州市の地域教育づくり
(1) 学社連携システムを支える地域教育コーディネーター
(2) 学校種間の連携システムと連携プログラムの研究開発
(3) 教委の“いきいき学びプラン”――18年度から5ヵ年計画で
(4) 地域・家庭・学校の連携促進に向けた“学校ファミリー事業”
(5) 子どもの居場所づくりと自立および自主的活動の支援
第11章 多様な体験活動の場の構築
1.多様な体験活動の場を提供する「文化の森」施設
2.〈事例〉「みのかも文化の森」の活動
(1) 市内の全小・中学校が参加する学校と文化の森の連携活動
(2) 主な活動内容とその取り扱い
第12章 地域協働の学校運営と多様な学社連携・融合活動
1.共学・共有・共生の地域づくりをめざす地域参加型学校
2.〈事例〉習志野市立秋津小学校の取り組み
(1) 新しい視点に立つ学校づくりの構図――その経営の方針と特色
(2) 内容豊かな「心の教育」への対応――活動を支える地域学校協議会
(3) 学校と地域社会の融合による教育活動推進システムの開発
(4) 授業への参加と支援による活動――学習支援システムと学び
資料編
【資料1】生涯学習審議会「地域における生涯学習機会の充実方策について」(答申)〈抄〉
【資料2】文部科学省・21世紀教育新生プラン――学校教育関係重要施策
【資料3】小・中学校設置基準と学校評価
【資料4】人間力戦略研究会報告の概要
【資料5】地域づくり支援アドバイザー会議「地域を活性化し,地域づくりを推進するために――人づくりを中心として」(提言)〈全文〉
【資料6】中央教育審議会「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」(答申)〈抄〉
【資料7】改正前後の教育基本法の比較
【資料8】中央教育審議会「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について」(答申)〈抄〉
【資料9】学校教育法等の一部を改正する法律案要綱(平成19年3月30日)