習熟度別指導・少人数指導を成功させる40のポイント
[本書の概要]
★習熟度別指導・少人数指導への賛否両論を踏まえて、その可能性を実践の立場から追求
★Q＆A形式とポイント整理で理解を容易にする懇切編集！
習熟度別指導は、それを称揚する教師たちからもまた、反対する側からもいろいろと誤解を生みやすい学習集団編成である。それを推進する教師の側は、習熟度別という学習集団の編成が何か目的になってそれだけを達成すれば、学習上の問題を解決できるものと考えがちである。しかし、学習の形は一人ひとりの学習の質を保証する手段ではあっても、それ自体は目的ではないということを忘れてはならない。
また、その編成に反対する教師の側は、それによって児童・生徒の間に差をますます広げて、ひいては差別を助長するという批判をする場合が多い。また、習熟度ではなくとも、小集団については、学習上の子どもたちのいろいろな意見のぶつかり合いのダイナミックスをなくしてしまうとか、あるいは個性を抑圧するように働くという意見が出される場合が多い。このように習熟度別・小集団指導の評価をめぐっては、実に様々な意見が飛び交っている。
本書では、このような意見に対して、実践家の立場からその具体的な実践の可能性を明らかにするものである。（「まえがき」より）
[編集] 浅沼茂
[刊行日] 2004-05-28 [形態] ムック
[定価] 2200 円（税込） [判型] A5 [頁数] 200頁
[ISBN] 978-4-87380-884-7[雑誌コード] 63013-72
[本書の目次]
第１章〈習熟度別指導・少人数指導の原理と歴史〉
１ 習熟度別指導・少人数指導実践上の問題点
２ 習熟度別指導・少人数指導と子どもの能力の多様性
３ 子どもの興味・関心を生かす習熟度別指導・少人数指導の可能性
４ 子どもが課題を立て学習を計画する習熟度別指導・少人数指導
５ 習熟度別指導・少人数指導とデューイの実験学校
６ 及川平治の分団式教育法と習熟度別指導・少人数指導
７ 大正新教育における少人数指導による自治活動の展開
第２章〈習熟度別指導・少人数指導をマネジメントするポイント〉
１ 中学校における習熟度別指導・少人数指導の利点は何か
２ 適性別指導と習熟度別指導・少人数指導との関連性
３ 完全習得学習と習熟度別指導・少人数指導との関連性
４ 保護者との協力体制と習熟度別指導・少人数指導のあり方
５ 習熟度別指導・少人数指導における教員間の共通理解
６ 教師の能力開発と習熟度別指導・少人数指導
７ 中教審答申と習熟度別指導・少人数指導
第３章〈小学校における実践的ポイント〉
１ はげみ学習と習熟度別指導との関連性
２ 課題選択学習と習熟度別指導・少人数指導との関連性
３ 子どもの個性と習熟度別指導・少人数指導
４ 子ども同士が助け合う小集団学習活動の利点は何か
５ 自己教育力を育てる習熟度別指導・少人数指導のあり方
６ 異学年交流におけるポイントは何か
７ 生活科等における異学年交流の可能性とメリットは何か
８ 習熟度別指導・少人数指導と子どものニーズとの適合性
９ 習熟度別指導・少人数指導における年間授業計画
10 理科における課題選択と習熟度別指導・少人数指導
11 理科の学習における習熟度別指導・少人数指導の可能性
12 習熟度別指導におけるグループ分けの方法
13 子どもに学習のめあてを持たせる工夫
14 総合的学習においてはどのような形が可能か
15 教科と総合的学習が連携した授業での形
第４章〈中学校における実践的ポイント〉
１ 中学校における計画のポイントは何か
２ 合科学習での習熟度別指導・少人数指導の可能性
３ 中学校選択学習における習熟度別指導・少人数指導のあり方
４ 中学校理科における発展・補充学習との関係
５ 中学校における習熟度別指導に向けての授業計画
６ 総合的学習との関連性はどのようなものか
７ 習熟度別指導・少人数指導で自己評価をどう生かすか