学校の危機管理 最前線

¥ 2,530 税込

商品コード: 003791

[本書の概要]




学校管理職は想定外の危機に直面して判断に窮したとき

何を基本スタンスとして次の行動に踏み出すか?

ケースに応じた対応ポイント、小中の実践例や法律知識も充実!


新型インフルエンザ集団感染、大震災、子どもの薬物乱用、ネットトラブル、

自殺予告、脅迫状、対教師暴力、不審者侵入、教師や管理職の不祥事、

体罰をめぐる保護者からのクレーム………


これまでの想定を超える様々な「危機」が学校を襲っています。

危機管理能力の高いスクールリーダーの資質とは、的確な危機予測ができること、そして危機対応において、最小のダメージコントロールが可能な能力を持っている管理者のことです。しかし、これは単に経験が豊富であるということではありません。「例年、大丈夫だったから」の判断が、思わぬ大きな事故を招くことがあります。その意味で、危機管理能力の高いスクールリーダーとは、過去の豊富な自らの経験を意識しながらも、個々の状況に合わせ柔軟性を持って、今、どう問題状況に対応したらよいかを瞬時に判断し、実行に移せる人のことでしょう。

こうした感覚を磨くには、平素から他校の事例や対策、そして、新聞やテレビで報じられるニュースに敏感になり、「なぜ、こうした事故が起きてしまったのか」「どうすれば、事故を回避できたのか」を常に考え続けるよりありません。つまり常に「最前線」を意識できる能力です。

本書は、昨今の報道などで問題となった点やこれから想定される様々な課題を中心に取り上げ、最新の対応と実際を分かりやすく提示します。


 


[編集] 阪根健二 
[刊行日] 2009-11-04 [形態] ムック
[定価] 2530 円(税込)  [判型] A5 [頁数] 200頁
[ISBN] 978-4-87380-540-5[雑誌コード] 63015-29


[本書の目次]

第1章 危機に強い学校をつくる
1.学校をめぐる最近の「危機」事情と学校の危機管理 (阪根健二・鳴門教育大)
2.最近のマスコミ報道と学校現場 (飯塚次郎・教育ジャーナリスト)
3.学校という組織と危機管理 (阪根健二)
4.危機に強い学校の条件 (阪根健二)
5.管理職の役割とリーダーシップ (嶋﨑政男・立川市立立川第一中)
6.校内体制の確立とミドルリーダーの育成 (田中庸惠・市川市教育委員会)
7.マニュアルづくりとマニュアル更新 (堀井啓幸・山梨県立大)
8.教育委員会や関係機関との連携 (三好仁司・国立教育政策研究所)
9.民間企業の危機管理事情 ――危機発生時対応からリスクアセスメントへ (浅野良一・兵庫教育大)
第2章〈ケーススタディ〉危機発生! そのとき学校はどう動く?
子どもに関係する危機
◆解説 子どもに関係する危機 最近の動向と対応ポイント
◇Case-1〈感染症〉
生徒が新型インフルエンザに感染 ――関西大倉学園の報告から (宮之前隆春・関西大倉学院/阪根健二)
◇Case-2〈ケータイ・ネットトラブル〉
プロフに嫌がらせ! ――ケータイ・ネットトラブル対処法 (尾木直樹・法政大)
◇Case-3〈対教師暴力〉
教室で生徒が教師にケガを負わせる ――対教師暴力にどう対処するか (山本修司・小金井市立小金井第一中)
◇Case-4〈自殺予告〉
いじめ相談室に「自殺する」との電話 ――自殺予告への対応 (三好仁司)
◇Case-5〈生徒の薬物乱用〉
薬物乱用で6人逮捕。管理職としての対応は (嶋﨑政男)
◇Case-6〈不審者対応〉
学校内で無差別殺傷事件が発生 (田中庸惠)
◇Case-7〈子どもの事故〉
学校の管理下(校内/登下校中)で子どもが事故 (渡邉正樹・東京学芸大)
◆関連法規解説 子どもに関係する危機 (佐藤晴雄・日本大)
教職員に関係する危機
◆解説 教職員に関係する危機 最近の動向と対応ポイント
◇Case-8〈教師/管理職の不祥事〉
学校のシンボリックな存在である校長のセクハラ・暴言 ――学校・教育委員会の予防的対応としてどう動く (八尾坂修・九州大)
◇Case-9〈個人情報の流失・紛失〉
研究発表会でパソコンから抜き忘れて紛失したUSB (佐藤晴雄)
◇Case-10〈教職員の精神疾患・うつ〉
何もかもいやになって,どうしていいか分かりません ――突然学校に来られなくなる (輿水かおり・港区立青南小)
◇Case-11〈教師の指導力不足〉
学力が心配,担任を変えてほしい (小島宏・(財)教育調査研究所)
◆関連法規解説 教職員に関係する危機 (佐藤晴雄)
学校周辺での危機
◆解説 学校周辺での危機 最近の動向と対応ポイント
◇Case-12〈災害発生〉
学校に子どもがいるとき大規模な地震が発生 (矢崎良明・板橋区立高島第一小)
◇Case-13〈犯行声明・脅迫状が届く〉
運動会を中止しないと児童に危害を加える (阪根健二)
◇Case-14〈児童虐待〉
家でお父さんに変なことをされている ――性的虐待のカミングアウトがあったら (関口博久・宮城教育大)
◇Case-15〈保護者からのクレーム〉
生徒のケンカを制止したら「体罰」との訴え ――適正な「指導」への非難にどう対応するか (山本修司)
◆関連法規解説 学校周辺での危機(佐藤晴雄)
第3章 学校の危機管理と説明責任
1.被害を受けた子どもと保護者への説明 (光武充雄・伊万里市立大坪小)
2.全校児童・生徒への説明 (光武充雄)
3.全校保護者・地域への説明 (光武充雄)
4.マスコミ対応 ~現場から (猿渡正利・大牟田市立橘中)
5.新聞記者から見た学校の危機管理 (中西茂・読売新聞調査研究本部)
第4章 実践・危機管理研修/子どもたちへの指導
1.〈教職員の意識を高める校内研修・実践例〉
全員参加のワークショップ型校内研修 (小島宏)
2.〈子どもの危機意識と危機対応(回避)能力を高める実践・小学校〉
危険から自分を守る力をつける ――危機予知トレーニング(KYT)とプロジェクト学習の実践 (岡敦子・高知市立旭東小)
3.〈子どもの危機意識と危機対応(回避)能力を高める実践・中学校〉
1枚版のイラスト等を活用して生徒の危機意識を高める (宮田龍・高知市立朝倉中)
4.〈子どもの危機意識を高める実践〉
市民性教育につながるNIE ――時事感覚・市民感覚が危機意識を向上させる (藤川由香・坂出市立櫃石中)
[コラム]
苛酷な日常を「生き延びる」ために子どもたちは薬物や自傷に向かっていることがある (松本俊彦・国立精神・神経センター)