教育の私事化と公教育の解体(義務教育と私学教育)

¥ 3,520 税込

商品コード: 000365

[本書の概要]


教育行財政学の泰斗が明らかにする


わが国公教育が抱える最大の課題!




 

 本書は「教育の私事化と公教育の解体」と題しているが、「教育の私事化」とは本来個人の思想や信条の自由を保障するために存在するはずの私教育が、個人や企業の利益追求のための教育に変わることを意味する。また、「公教育の解体」とは教育がもっぱら個人やその家族のためにのみ存在するようになった結果、国民や住民の共同育成を目指してきた公教育のシステムが融解しつつあることをさす。

 「教育の私事化と公教育の解体」という過程が現実に進行しつつある今日、事態はより深刻であり、いっそう真剣な取り組みが必要とされている。本書は発足以来の大変革期に入ったと思われる公教育制度について、三つ(①教育の私事化と公教育の解体、②公教育の中核となっている義務教育の融解がどこまで進んでいるのか、③「教育の私事化」が私学教育にどう影響を及ぼしているか)に焦点を絞って究明することを課題としている。(「はしがき」より)

 


[著者] 市川昭午 
[刊行日] 2007-02-08 [形態] 書籍
[定価] 3520 円(税込)  [判型] A5 [頁数] 300頁
[ISBN] 978-4-87380-365-9


[本書の目次]

第一章 公教育と私教育

 第Ⅰ節 公教育とは何か
 第Ⅱ節 公教育をめぐる論争
 第Ⅲ節 公・私の区分と価値の転換
 第Ⅳ節 教育の私事化
第二章 公教育の変質と解体
 第Ⅰ節 公教育の解体
 第Ⅱ節 公立小・中学校の選択制
 第Ⅲ節 教員の権威失墜
 第Ⅳ節 規制緩和と企業支配
第三章 義務教育制度の動揺
 第Ⅰ節 義務教育とは何か
 第Ⅱ節 義務教育:三つの神話
 第Ⅲ節 義務教育の難点
 第Ⅳ節 義務教育はなくせるか
第四章 義務教育の費用負担
 第Ⅰ節 義務教育費の負担問題
 第Ⅱ節 国庫負担問題の経緯
 第Ⅲ節 国庫負担制度の改廃
 第Ⅳ節 国庫負担のあり方
第五章 私学教育の公共性
 第Ⅰ節 私立学校の特性
 第Ⅱ節 曖昧な法的性格
 第Ⅲ節 私学教育は公教育か
第六章 私学政策の迷走
 第Ⅰ節 定見を欠く私学政策
 第Ⅱ節 二転三転する基本方針
 第Ⅲ節 公費助成の課題