教育改革の終焉

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商品コード: 000540

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[本書の概要]

「教育改革の主要な対象は学校制度であり、学校教育の特性は定型教育である。したがって、学校制度が改革の中核的な対象でなくなり、学校教育が定型性を薄めていくのは、リフォームする対象がフォームを失ってしまうことを意味する。そのため、教育改革論議は果てしなく続けられるであろうが、教育改革は消滅していく公算が大きい」(「はしがき」)。
日本の公教育は「変わらなければいけない」「変えなければいけない」。「教育改革」をめぐる論議が、長年にわたり繰り返されてきました。
しかし、そもそも「教育改革」とは何か?そして、その試みはいつまで続くのか?
日本の教育政策研究の第一人者が、1990年代以降の教育改革・教育改革論を徹底的に分析し、その行く末を予言します。


※本書は『教職研修』2015年4月~2018年12月号掲載の連載「教育改革を考える」を再編成したうえで、大幅に加筆したものです。


【著者紹介】
市川 昭午
1930年長野県生まれ。1953年3月東京大学教養学部教養学科(国際関係論分科)を卒業。北海道大学助教授、東京教育大学助教授、筑波大学教授、国立教育研究所教育政策研究部長、同研究所次長、国立学校財務センター研究部長・教授などを歴任。


[著者] 市川昭午 
[刊行日] 2021-05-01 [形態] 書籍
[定価] 4400 円(税込)  [判型] 四六判 [頁数] 576頁
[ISBN] 978-4-86560-540-2


[本書の目次]

序 章 教育改革とは何か

一 教育改革の捉え方
二 類似用語との異同
三 “教育再生”の背景
四 公務員制度下の教員
五 教職というアポリア

第Ⅰ章 改めて教育改革を問う―教育改革をめぐる論点―

一 なぜ改革が必要なのか
二 誰が改革案を策定するのか
三 どこをどう改めるのか
四 いつ実行するのか

第Ⅱ章 教育課程改善の方向性―改革答申のポエム―

一 学校教育の目的
二 学校教育の目標
三 指導方法の改善
四 教育課程の改訂

第Ⅲ章 学校の役割分担―教科教授と教科外指導―

一 学校教育の領域
二 教科外指導の再検討
三 部活動問題と対策
四 学校機能の拡大論
五 学校機能の縮小論
六 教員の働き方改革


第Ⅳ章 学校段階と接続―学歴社会と受験競争―

一 〝過度〟の受験競争
二 学歴主義の弊害と効用
三 学歴社会の消滅
四 適格者から多様化へ
五 選抜から接続へ

第Ⅴ章 学校教育の系統―多元的単線型と縦の複線化―

一 多元的単線型の出現
二 職業教育の位置づけ
三 例外措置としての才能教育
四 エリート教育の是非
五 〝縦の複線化〟

第Ⅵ章 公立学校の管理運営―学校選択と運営参加―

一 公立学校の民営化
二 公立小・中学校の選択制
三 公設民営学校の難点
四 地域運営学校の課題
五 コミュニティ・スクール概念の混乱

第Ⅶ章 行政改革と教育行政―教育の自律性と行政の中立性―

一 行政改革と教育改革
二 省庁再編と文部科学省
三 教育行政の自律性
四 教育行政の地方分権化
五 教育委員会制度の改革
六 教育行政組織の再編

第Ⅷ章 学校教育の費用負担―無償化と負担軽減―

一 学校教育費の無償化
二 無償化すべき学校段階
三 公費負担とすべき費用
四 負担軽減の目的と効果
五 無償化財源の調達

第Ⅸ章 経済・社会の改革要求―市場主義と平等主義―

一 産業界の教育要求
二 エコノミストの教育改革論
三 教育投資論は有効か
四 社会格差と教育格差
五 教育格差はなくせるか

終 章 教育改革の終わり

一 成功しない理由
二 在野の改革論
三 教育改革の変質