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  中学校の講話
 
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「志」を立てる


 Boys, be ambitious!(少年よ、大志を抱け)
 この言葉を聞いたことがある人は、どのくらいいますか?
 明治の初め(明治9年)に、札幌農学校に赴任したウィリアム・スミス・クラークが、学校を去る時に生徒たちに残した言葉です。
 江戸時代が終わって、一気に西洋の文明が入り、日本はこれからどうなるのか、という混沌とした時代に、新しい日本をつくっていったのは、高い志を抱いた若者たちです。
 変化が激しく、世界と渡りあうという点では、現在も大変むずかしい時代です。ここ数年、近い将来、現在の仕事のうち約半分が機械にとってかわられる、と盛んに言われています。実際に、運転しなくてよい自動車が実用化されようとしています。銀行の窓口に行かなくても、インターネットでお金のやり取りができる、そんな時代になっています。

 こうした時代を生きる皆さんに必要なことは、何でしょう?
 たとえば、英語を日本語に翻訳するだけなら、AIがやってくれます。けれど、経済に詳しい翻訳者であったり、医療の分野に詳しい翻訳者であったりすれば、たいへん重宝されます。つまり、英語を使ってどんな仕事をしたいのですか、ということです。
 ラーメン店では、工夫に工夫を重ねて、その店でしか食べられない味になっていると、それがインターネットで評判になり、お客さんが集まる。今は、そういう時代です。
 知識を得るだけでなく、知識をどう使うか、どう工夫するのか、人間にしかできないことが求められる時代です。みなさんは、今はない仕事を将来つくり出すことだってできます。
 新年にあたって、将来自分が何をしたいのか、社会のためにどう役に立ちたいのか、ぜひ「志」を立ててください。何ができるか、ではなく、何をしたいか、です。そして、その「志」に向かって、学校で学ぶのです。

 最後にもう一つ。どんなに世の中が変わっても、相手への思いやりや人と人とのコミュニケーションの大切さは変わりません。学校生活では、それも学んでください。クラーク博士は、札幌農学校の校則(学校の規則)について相談されたとき、こう答えました。
「この学校に校則はいらない『Be gentleman.(紳士であれ)』、この一言があれば充分である」
 今年の4月には、ここにいる全員が、それぞれ新しい環境で飛躍することになります。そのためにこの3か月、1日1日を大切に、学んでいきましょう。

(金沢 真)



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