[本書の概要]
みんな一緒を手放す――子ども「たち」のため→子ども「一人ひとり」のために解像度をあげていこう 日本の学校では、学習指導要領で定められた目標を達成するのに必要な内容を、限られた期間内に「教える」という使命を果たすうえで、一斉画一的な教育が効率よいとされてきました。一方で、学びの個性はみな違っていますから、本当に一人ひとりが生き抜く力を「身につける」ためには、各々の違いに合った「個別最適な学び」の視点がもっと必要です。 本書の主な読者対象である多くの先生方は、その必要性をわかっていながらも、さまざまな制約のもと極めてむずかしいと感じているのではないでしょうか。しかし歴史をたどれば、学校教育の限界に立ち向かっていく豊富な実践と、それを支える教育論がすでに存在していたことに気づきます。 本書は、そんな「個別最適な学びがむずかしい」と感じる先生方の疑問をとりあげ、著者が歴史的な理論や実践をもとに応えていくかたちで、読者が著者と対話しながら個別最適な学びに関する理解を深め、具体的な手立てにつながる示唆を得られるような構成となっています。 求められているのは、一人ひとりの背中をそっと押し自分たちで学びに向かえる環境を整えること、そのために偏った「みんな一緒」を思い切って手放してみること。言い換えるならば、子ども「たち」のための教育から、子ども「一人ひとり」のための教育に解像度をあげていくことです。そんな教育の転換点にある今日、個別最適な学びの土台づくりをどうするか、本書を通して語り合ってみませんか? |