『GIGAスクール構想で進化する学校、取り残される学校』発売!! 1人1台の端末整備はほぼ終了し、これから導入、活用に移る段階ですが、各地から聞こえてくるのは、教育委員会の過剰な規制や学校管理職の消極的な姿勢です。その背後にあるのは、何かあったときの批判を避けたい心理や、新たな教育の必要性への無理解、失敗を恐れチャレンジできない学校文化です。 文科省も通知で「こうした制限は安易に行うものではなく、真に必要な場合にのみ行うべきであって、むしろ、多くの課題については、1人1台端末を積極的に利活用する中で解決を図ることこそが重要と考えられる」としましたが、各地の状況に変化は見られません。 このままでは、一部のチャレンジし続ける自治体、学校と、そうでない自治体、学校の格差が大きく開いてしまうことが危惧されます。 この危機を乗り越え、子ども、教職員を誰一人として取り残すことなく、各学校がめざしている教育をICT器機を活用してどう実現していけばよいかを探り、ひいては学校DXを日本全体で実現していくことをめざします。 |
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推薦の言葉 | |||
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出版記念 オンライントークイベントのご案内 | |||
動画をYouTubeにアップしました! 取り残されず、進化する学校をつくっていくために、今、何ができるのか。 編者の平井聡一郎先生、そして執筆陣から稲垣忠先生、新保元康先生にご登壇いただき、トークセッションで語り合っていただきました! ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 【登壇者】平井 聡一郎先生(株式会社情報通信総合研究所特別研究員) 稲垣 忠先生(東北学院大学教授) 新保 元康先生(一般社団法人北海道開発技術センター地域政策研究所参事/前札幌市立屯田小学校長) |
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本書の概要 | |||
【編集】 平井聡一郎 【刊行】 2021年8月30日 【定価】 2420 円(税込) 【判型等】 四六判/320頁 【ご購入はこちらから】 ■小社オンラインショップ ■Amazon |
小社「オススメ図書のご案内」に、編者の平井先生からのメッセージを掲載しています。 こちらもぜひご覧ください! |
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書 評 | |||
評者:益川 弘如(聖心女子大学教授) 本書は、1人1台端末環境導入の課題を共有し次のステップへ進めるために、各自治体・学校が必ず一読すべき内容が網羅的に収録されている。このたびのGIGAスクール構想による整備は、コロナ禍における前倒しによって、1人1台時代の到来が早まったとも言える。各自治体は、整備に追われてしまい、他の自治体と横でつながって取り組みを幅広く共有し、自身の自治体の取り組みを見直すような時間の余裕はなかったのではないかと思われる。本書は、教育行政、研究者、そして自治体・学校などそれぞれの立場から総勢30名による執筆となっており、多岐にわたる内容について、自治体間で共有すべき課題や解決策が具体的に書かれている。 本書を通して、改めて読者に突きつけているのは「何のためのGIGAスクール構想なのか?」である。1人1台端末活用を進めるうえでさまざまな課題があるが、新学習指導要領の理念実現のためであることは忘れてはならない(第1章)。学校全体の質を向上させ(第4章)、児童・生徒の主体的・対話的で深い学びを実現するためである(第3章)。まずは、これらヴィジョンを各自治体・学校で前提として共有する必要がある。 そのうえで、学校のさまざまな場面においてICTを活用して質を向上させていくためには、紙と鉛筆のように「特別な道具」から「日常的な道具」への変換へとつなげることが大事である。子どもたちに対しては、授業の学びにおける有効利用のため、授業外の活動での活用や、不適切利用に対していかに対応していくかなどの内容が参考になるだろう(第2章)。同時に、保護者への理解、そして保護者と学校とをつなぐ手段としてのICT活用も進めていく必要がある(第2章)。さらには、先生一人ひとりがヴィジョンに基づいて活用していく共通理解をつくりあげていく取り組みを行うことが大事であり、そこには管理者の意識改革も伴う(第3・4章)。 学校における多様な活用を総合的に進めつつ、各授業等において主体的・対話的で深い学びを実現するために、協働的な学びと個別最適な学びを一体的に捉え、子どもたちが豊かな対話を通して意味理解を深め、結果、一人ひとりの学びが深まる個別最適な学びにつなげていきたい(第3章)。そして、ICT活用の大きな可能性を秘めているのが、教員研修への活用である(第2章)。ICT活用促進の研修に加え、教師がICTを活用することでより効果的な研修が実現できる。オンラインによる時間空間を超えた研修や、児童・生徒の学習ログを活用した研修など、今後幅が広がっていくだろう。 本書のタイトルは、『GIGAスクール構想で進化する学校、取り残される学校』であるが、進化する学校は、第1章で示されているような第3段階の真のDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けての試行錯誤が進められ、取り残される学校は、第1段階の単なるデジタイゼーションや第2段階のデジタライゼーションにとどまることを意味しているのかもしれない。 初出:『教職研修』2021年10月号 |
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本書の目次と執筆者 | |||
はじめに 1章 GIGAスクールを失敗させないために そもそも学校は何のためにデジタル化するのか……桐生 崇 新学習指導要領の理念実現のために――未来の創り手となるために必要な資質・能力を育むための授業改善……前田 康裕 地域間格差、学校間格差の拡大を避けるために……中川 斉史 GIGAスクール失敗は、教育予算削減への道……櫻井直輝 2章 学校全体のICT化を進める まずは「やってみる」こと――「GIGAスクール構想」の実践を通して日本の学校文化の変革を探る……駒崎 彰一 若手とベテランが学び合う場へ……佐和 伸明 学校全体のデジタル化のイメージ……平井 聡一郎 授業以外の子どものICT活用 ……加藤 朋生 研修のオンライン化……櫻井 良種 子どもの不適切使用への不安と対応 …… 藤川 大祐 各家庭の不安・思いとのかかわり方…… 藤川 大祐 個人情報保護、セキュリティ対策……長谷川 元洋 ICT支援員との連携、新サービス導入時の民間企業・NPOとの連携における注意点とは……高橋 暁子 3章 授業・学びのICT化を進める 授業のデザインから学びのデザインへ……稲垣 忠 ICTは「個別最適な学び」をどう進化させるのか……黒上 晴夫 ICTを活用した協働的な学び……伏木 久始 校内で一番苦手な教職員も使えるための第一歩……小柳 和喜雄 ICTを使いたがらない教職員への対応……小柳 和喜雄 デジタル教科書の学習効果を問う――紙とデジタルの使い分けに向けて……柴田 博仁 特別支援教育における活用……近藤 武夫 ICTが苦手な子どもへの配慮……田中 裕一 4章 成功の鍵を握る学校管理職 管理職がボトルネックになっていないか……平井 聡一郎 管理職にとってのはじめの一歩 ……齋藤 浩司 学校全体の質の向上に向けて……新保 元康 ICT活用で深まる校長の学び……小髙 美惠子 5章 成功する自治体、失敗する自治体 子ども向けの過剰な制限……高橋 純 逆に「ゆるすぎる」自治体の問題……平井 聡一郎 学校のICT化を最大限に生かすための環境整備 ……梶本 佳照 6章 GIGAスクールのその先へ デジタル・シティズンシップ……豊福 晋平 教師のテレワーク……荒木 貴之 デジタル教科書……寺尾 敦 7章 これで解決! GIGAスクール1問1答 実践例① どうやって1人1台端末を使えるようになったか? GIGA成功のポイントは、個別学習→一斉学習→協働学習の3ステップにおける実感を伴う授業観の転換……朝倉 一民 実践レポート② GIGAスクールで主体的な学びをどう実現したか? 先生それぞれの「得意分野」を生かして、ワクワク楽しい授業を! ……毛利 靖 GIGAスクール構想 お悩み相談……水谷 年孝 あとがき |
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